クロヨシノボリ♀の魚類図版|Rhinogobius brunneus|形態・特徴

 

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クロヨシノボリ Rhinogobius brunneus の雌を側面観で示した単体魚類図版です。頭部から尾鰭までの体型、各鰭の形状、体側の鱗と暗色斑、尾鰭基部の斑紋など、雌の外部形態を整理しています。雄の図版と共通する視点で描くことで、雌雄それぞれの特徴を理解し、ヨシノボリ類の形態比較へ展開できる基礎図版としています。

クロヨシノボリ♀の魚類図版

Illustration of the kuroyoshinobori♀

クロヨシノボリ(Rhinogobius brunneus)雌の左向き側面魚類図版。第1・第2背鰭、胸鰭、臀鰭、尾鰭の形状、体側の鱗列と暗色斑、尾鰭基部の斑紋、腹部の黄色い色彩を描写。

クロヨシノボリの雌(Rhinogobius brunneus)の単体魚類図版。
© Fish Illustration Archive

 
 

基本情報

和名: クロヨシノボリ
学名: Rhinogobius brunneus (Temminck & Schlegel, 1845)
分類: スズキ目・ハゼ科・ヨシノボリ属
図版対象: 雌
図版形式: 単体魚類図版/側面観

クロヨシノボリは、日本の河川に生息するヨシノボリ属の淡水魚です。国内では本州、四国、九州および周辺島嶼などに分布し、河川の中・上流域を中心に生息します。
仔魚期に海へ下り、成長過程で河川へ遡上する両側回遊型の生活史をもちます。
 

図版制作の意図

本図版では、クロヨシノボリ雌の外部形態を、一個体の側面観として記録することを目的としています。
雄の図版と共通する体の向きと構成を採用し、頭部の形状、背鰭の輪郭、体側の鱗列、尾柄から尾鰭にかけての形態を比較しやすいように整理しました。
特に、雄とは異なる第1背鰭の輪郭、体側の暗色斑、腹部に現れる黄色い色彩、尾鰭基部の斑紋などを、魚体全体の構造との関係が読み取れるように表現しています。
雌の外部形態を独立した図版として示すことで、雄の特徴を基準とした説明に偏らず、クロヨシノボリの形態的な多様性を理解するための資料としています。
 

外部形態の特徴

頭部と体型

頭部は比較的大きく、吻は丸みを帯び、口は前方に位置しています。眼は頭部の背側寄りにあり、頬から鰓蓋にかけての輪郭が明瞭です。
体幹部は細長く、尾柄に向かって緩やかに細くなる体型を示しています。
図版では、頭部の滑らかな表面と体幹部の鱗被を描き分け、部位による体表構造の違いを表現しています。

背鰭と各鰭の形状

背鰭は第1背鰭と第2背鰭に分かれています。
第1背鰭は雄図版と比較して前方の鰭条が著しく伸長しない輪郭として描かれ、鰭膜には淡黄色から青緑色、暗色にかけての色彩が表現されています。
第2背鰭、臀鰭、尾鰭にも淡黄色や青緑色の色調がみられ、鰭条と鰭膜の構造を確認できます。
胸鰭は大きく扇状に広がり、腹鰭は頭部後方の腹面に位置しています。

体側の鱗と斑紋

体側には鱗が規則的に配列し、背側の暗褐色から腹側の淡色へと色調が変化しています。
体側には不明瞭な暗色斑が点在し、尾柄部には比較的明瞭な暗色斑が認められます。
また、本図版では胸鰭後方の腹部に黄色い色彩を表現しています。この色彩は図版上で確認できる特徴ですが、色彩のみを雌の診断形質として扱うものではありません。
 

形質診断に用いた情報

クロヨシノボリの識別には、鰭条数、鱗数、鱗被、感覚乳頭の配列、各鰭の斑紋など、複数の形質を組み合わせた観察が必要です。
文献で報告されている本種の主な形態情報は、以下のとおりです。
 
鰭条数

  • 第1背鰭:6棘(VI)

  • 第2背鰭:1棘、7–8軟条(I, 7–8)

  • 臀鰭:1棘、7–9軟条(I, 7–9)

  • 胸鰭:17–22軟条

  • 腹鰭:1棘、5軟条(I, 5)

鱗数・鱗被

  • 縦列鱗数:31–35

  • 横列鱗数:8–10

  • 頭部の鱗被:吻・頬・鰓蓋は無鱗

その他の形態情報

  • 頬の感覚乳頭:縦列型

 
これらは文献に基づくクロヨシノボリの形態情報であり、本図版の個体を直接計数した結果ではありません。
本図版では、側面から確認できる体型、鰭の輪郭、鱗被、斑紋を中心に表現しています。感覚乳頭の詳細な配列や正確な計数形質については、必要に応じて拡大図やDiagnostic Character Plateで扱います。
 

図版設計と表現方法

本図版は左向きの側面観とし、吻端から尾鰭後端までの全体形態を一つの視野で確認できる構成としています。
第1背鰭と第2背鰭、胸鰭、腹鰭、臀鰭、尾鰭については、それぞれの輪郭と鰭条の走行を描き分けています。
体幹部では鱗を一枚ずつ描写し、鱗の配列と体色・斑紋との位置関係が読み取れるようにしています。
また、背側の暗い体色、腹部の淡色、各鰭の青緑色や黄色を、輪郭線や鱗・鰭条の構造を損なわない範囲で表現しています。
背景を白地とすることで、環境要素から魚体を切り離し、雄図版や他のヨシノボリ類の図版と形態を比較しやすい構成としています。
 

種を特徴づける要素

クロヨシノボリの識別では、体色の暗さだけでなく、鰭の斑紋、胸鰭基部の色彩、尾鰭の模様、鱗被などを組み合わせて観察することが重要です。
本図版では、暗褐色を基調とする体色とともに、第1背鰭の形状、体側の暗色斑、尾柄部の斑紋、各鰭の色彩を表現しています。
雄図版との比較では、第1背鰭の輪郭や体色・斑紋の現れ方に違いが認められます。ただし、個体差や成熟状態による変異も考慮する必要があり、図版間で確認できるすべての差を雌雄に固有の形質と断定することはできません。
このように、共通する種の特徴と個体・性による変異を区別して観察することが、ヨシノボリ類の形態理解につながります。
 

想定用途

本図版は、クロヨシノボリ雌の外部形態を示す資料として、魚類図鑑、研究・教育資料、博物館・水族館の展示解説、Webコンテンツなどでの利用を想定しています。
また、雄の単体図版と組み合わせた雌雄比較や、他のヨシノボリ類との種間比較、Identification Plate、Diagnostic Character Plateなどの制作に用いる基礎図版としても活用できます。
 

まとめ

クロヨシノボリ雌の単体魚類図版では、頭部から尾鰭までの体型、各鰭の形状、体側の鱗と暗色斑、腹部の色彩、尾柄部の斑紋などを側面観として整理しています。
雄の図版と共通する構成で制作することで、雌雄それぞれの形態を独立して理解するとともに、両者の違いを比較するための基礎資料となります。
本図版は、Fish Illustration Archiveにおけるクロヨシノボリの雌雄比較、およびヨシノボリ類の形態・識別体系を構成する単体図版の一つとして位置づけています。

 
 

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